電力事情についての対談 ABOUT ELECTRIC

震災を受けて電力に関する人々の考え方が変わったことを、日々肌で感じているというロク総合設備の皆さん。
そこで、ここでは気になる電気事情について語っていただくことに。
リアルな現場の声に触れているトップ営業マンの久保田穂さん、国内外の情勢を俯瞰でとらえながら、営業部門を管理統括する富山聖太郎さんに、代表の鹿谷洋三さんが見守るなか、熱弁を繰り広げていただきました。

TAKE.1 災害がますます身近に迫る今、
自給自足の電力の必要性を感じています

―東北の震災前後で意識の違いを感じられますか?

久保田
ありますね。東北の震災に限らず、奈良だと十津川での災害や、和歌山は那智勝浦。おととしの熊本の震災など、今は孤立地域の問題も大きいですよね。
県道一本だけで道が閉ざされて、命の危機にさらされる事例が多く報じられています。徳島では一昨年、雪で2週間孤立して亡くなった方もいました。そういう命を守るという点で、危機感を感じている方は多いと思います。
富山
実際、うちのお客様でもありましたよね。
久保田
はい。去年12月の雪の時期に和歌山で、長いところで6時間停電した地域がありました。当時92才のおじいちゃんの一人暮らしのお宅でしたが「停電したけど、おかげで電気が使えました」と、感謝の連絡をいただいたんです。
もともと停電が多い地域だということもあり、息子さんが心配して太陽光発電システムをつけられたんですよ。寒いときに電気が使えないとなると命にかかわってくるので、特にお年寄りの方には必要なことだと感じます。
過疎化が進む地域では、一人暮らしのご両親を心配して娘さん、息子さんの意向で設置される場合が多いです。
富山
今60代くらいの方の意識も高いですよね。
世襲制が当たり前だった昔とちがって、老後は、自分の身は自分で守るという考えが主流になってきています。

―災害が起こると、電気のありがたみを実感しますよね。

鹿谷
久保田は実際、体験もしていますし。
富山
僕は伊丹出身なんですが、小学生の時に阪神大震災を経験しました。
伊丹は震度6強ぐらいだったのですが、ガスが1ヵ月こなかったですし、銭湯で「お湯三回かけ流し」というルールがあったり、寒くて困った時に毛布をもらったりしたことを覚えています。そういう電気がない時の経験が、災害で困る人をできるだけ減らしたいという気持ちにつながっているのかもしれません。一人ぼっちで、まっ暗な中動くこともできないって、本当に怖いと思うんです。

―蓄電池はどれくらい持つものなのでしょうか?

鹿谷
回路にもよりますよね。昼はそのまま太陽光から電気をとれるので、要はカバーするのは太陽が沈んでから寝るまでの間です。
だいたい10時間ぐらいの量はためておけますよ。
久保田
仮に停電になっても、12時間は大丈夫です。
久保田
特に足腰が悪い方はすぐに避難できないし、慌てられると思いますが、難しい操作もいらないですし、速くて0.2秒、遅くて10秒以内に電気が勝手に復旧するので安心です。

TAKE.02 年々上がる電気代に
意外と気づいていない人も

―震災で、電気代の値上げも話題になりました。

久保田
そうですね。だいたい年間約10%は上がっています。でもあまり気づかないんですよね。例えばこの月は700円とか、次は1000円上がっているって言っても、「ちょっと今月はエアコン使いすぎたかな」と感じる程度で。
それがまた1年、同じぐらいの金額がアップして、それが当たり前になって、また次…と繰り返されるので。
鹿谷
実は、30年前から電気代はずっと上がり続けていて、東北の震災以降に加速的にあがって、周知もされるようになったんです。そこでようやく国民が意識するようになるんですが、その後さらに上がって、2016年を迎えたとき、月額1万円で済んでいたお客様が1万5000円になっているという事例が発表されて。それは各メーカーさんがいろんな資料を作られています。

TAKE.03 未来の自分へ、
そして次世代へつなぐためにも

久保田
生きていくうえで、必ず電気は必要ですよね。それがどんどん値上がりして、それでも買うしか選択肢がないという状況が続いている。でも今の時代、電気は自分たちで創れるものなんです。電気代が上昇していくサイクルから離れることができるんですよ。一時的なことだけでなく、「生涯ローン」ともよばれる電気を自給することは大切だと思います。
久保田
実はこの状況というのも、2020年、団塊世代が全員定年を迎えるということがひとつの契機になっています。その時に日本全体で年金を支払う金額も多くなりますし、今後電気を使う量も増えると見込まれます。
だからこそ、電気を自給自足にするというプロジェクトが2020年に向かって進んできているんです。そこで自給自足にしていただきたいのは、若い世代です。そのことによって自分たちが今後年金をもらう金額が少なくなったり受給が遅れても、生涯ローンがない分生活も楽になりますから。

―若い世代が導入するほうが大きなメリットになると?

久保田
そうですね。今の新築には、太陽光とオール電化、蓄電池がついた「スマートハウス」というものもあります。電気代も2000円程度だけを支払って、そのかわり、住宅ローンとして機器代を払う。機器代が終わるイコール、電気代の支払いが終了する、これが、自分たちの子供、孫の世代まで、どんどん引き継がれていきます。
ですから、もちろんメンテナンスは必要ですが、自分たちの電気代を払いながら、子孫、先の世代の分まで払っておけるということになるんです。
鹿谷
今の蓄電池は長持ちしますしね。
久保田
約20年近く持ちますね。その後も中のパーツだけを入れ替えることによって、継続利用ができる場合もあります。ケータイの電池パックを入れ替えるイメージですね。そういった部分で、自社一貫でやっているロク総合設備でやっていただくと、今後ずっとアフターフォローしていけるので、お客様にとってもメリットだと思います。お客様専属の担当者だという風に思っていただければ。実際、そこを買っていただいているお客様も多いです。

TAKE.04 CO2削減に向けて、
日本国内のみならず
世界がクリーンエネルギーに注目

―話を聞けば聞くほど、本当はもっと真剣に向き合わないといけない問題だと感じます。

富山
例えば海外なら、ベンツやBMW、アウディなどの外車メーカーが電気自動車を作り出しています。それは世界が電気事情に目をむけている証拠ですよね。車専用の蓄電池も自動車メーカー自身が作っているんですよ。日本での流れだけでなく、世界全体の流れとして、クリーンなエネルギーへの関心が高まっていると思います。
久保田
日本は、世界から見ても災害の多い国なんでとくに重要だと思いますが、その意識はまだまだ広がっていないのではとも感じます。なにげなく使われているものの、実際この電気を作るときにどれだけ自然に害があるとか、考える人は少ないですよね。事故があったから原子力は悪いとか。でも今に始まったことではないんです。原子力発電所を作ったときから、無くす時には次の世代が負担をしないといけないことはわかっていたことなんです。電気代がいくら安いといわれても、後々そこに費用や労力がかかってくる。結局は先延ばしなんですよね。
鹿谷
そこから考えるとドイツはすごいですよね。原子力がすべてストップして、国がお金を出して太陽光を付けています。でもちょっとやりすぎてしまって、みんなが付けているから買い取るっていう機能がなくなってしまっています。
とはいっても近隣のEU諸国に売ったり、大きな工場で使ったりしているみたいですけどね。
久保田
その問題に関しては、日本では隣接国もないし、大きい工場も海外に出ているので、自分の国で使っていくという方針になっていますよね。国内に蓄電池を作っているメーカーも多いと思います。災害が多いこともありますし、資源も乏しい国なので、できるだけうまく運用していこうという…。
最終的に、電気で全部まかなうという考え方は、全世界共通でCO2を下げると、原子炉を全部廃炉して原爆を作れなくなる…から進まないという考え方もあるかもしれませんが、逆をいうと、世界平和にもつながる話だと思います。世界平和になるとみんなが愛でつつまれますよね。つまり電気は愛を育てるものなんです!